自社株

目次

自社株(未公開株式)は、上場株式のように毎日株価がでるわけではないので、既定の方式に従った評価が必要となる。

1、清算中、開業前や休業中、開業3年未満の会社、または、類似業種との比準要素にかける会社を特定評価会社という。

特定評価会社→純資産価額方式 それ以外→下記

2、その会社の発行株式の30%以上を保有する株主とその親族を同族株主(オーナー一族)という。

同族株主→下記 同族株主以外→配当還元方式

3、「純資産の相続税評価額」に占める株式、及び出資の割合が、大会社(従業員100人以上or総資産価額・取引金額などから判定)で25%以上、中・小会社で50%以上に該当する会社を株式保有特定会社という。

株式保有特定会社→純資産価額方式or(類似業種比準価額×α+純資産価額×β)方式 それ以外→下記

4、「純資産の相続税評価額」に占める土地などの割合が、大会社で70%以上、中・小会社で90%以上に該当する会社を土地保有特定会社という。

土地保有特定会社→純資産評価額方式 それ以外→下記

5、それ以外は、原則的評価方式(純資産評価額方式or類似業種比準方式or二つの併用)を用いる。

自社株2

純資産評価額方式は、相続税評価額ベースの純資産価額から含み益の法人税等相当分(含み益×42%)を差し引いてた純資産額を発行株式数で除して求める。

土地、借地権、有価証券等の含み益(取得価格と時価の差額)が株価に反映されるため、一般的に最も高い評価になる。

配当還元方式は、会社の配当実績(直前期と直前々期の2期の平均)に基づき自社株を評価する方法で、最も低い評価になる。

類似業種比準方式は、類似する上場企業の株価に対し、配当、利益、純資産の3つの要素により自社株を評価する方式で、純資産評価額方式のように含み益を含まないが、類似業種の株価の上昇により自社株の価格が上昇する可能性はある。

自社株3

相続税を抑えるためには、自社株の評価を下げることが必要である。

評価を下げる方法として大きく2つ。

一つ目が、1株当たりの配当金額を引き下げること。無配当or定率配当にするか、記念配当・特別配当を利用して、類似業種比準方式、配当還元方式の評価額を下げる。

二つ目が、1株当たりの利益を引き下げること。役員退職金の支払い、償却資産の購入、定期保険への加入、不良在庫の処分などで、資本(純資産)自体の引き下げを行う。

通常、退職金は退職金引当金として貸方:負債科目、借方:費用科目に記載され、結果として損金処理される(退職金は将来の利益を獲得する支出なので資産でなく費用)が、役員に限っては、退職する前に、下記条件を満たせば損金処理できる。

1、常勤役員が非常勤役員になった場合、2、取締役が監査役になった場合、3、分掌変更で、報酬が50%以上減った場合

自社株式を引き継ぎ、後継者がその会社を引き続き経営していく場合に限り、納付すべき相続税の内、課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予される。(H20年10月1日以降)

猶予された納税は、次の後継者に引き継ぐ時まで、その会社を経営していれば、次の相続時に納税猶予分控除される。

相続・事業継承

コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。

(件名or本文内でキーワード検索できます)



  • << 前のページ
  • 次のページ >>
ページトップへ