分離課税
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所得税には総合課税と分離課税があり、分離課税には申告分離課税と源泉分離課税があります。
所得 | 内容 |
退職所得 | 申告分離 |
山林所得 | 申告分離 |
利子所得(公社債・預貯金) | 源泉分離 |
配当所得(上場株式、投資信託分配金などのうち申告分離課税を選択したもの) | 申告分離 |
配当所得(特定目的信託の社債的受益権の収益の分配などの所得) | 源泉分離 |
雑所得(公社債の償還差益のうち、一定の割引債の償還差益などの所得) | 源泉分離 |
土地・建物、株式の譲渡所得 | 申告分離 |
一時所得(保険・共済期間が5年以下の一時払いの養老保険や損害保険の所得) | 源泉分離 |
総合課税は、ほかの所得と合算して所得税を計算する制度で、給与や事業所得などの合計から控除額を引いた課税価格に対して、所定の計算式にて課税されます。
源泉分離課税は、利益が発生するとその時に、20%などの税金が引かれて、課税関係が終了するものです。 通常、養老保険の満期保険金等は一時所得として、[(一時所得-今までかかった費用)-特別控除]×1/2で計算されて総合課税されますが、5年以下のものは問答無用に20%の源泉分離課税がされます。要注意です。 利付債の償還差益は雑所得としての総合課税ですが、割引債の償還差益は、債券発行時に18%の源泉徴収が行われて、課税が完了します。
申告分離課税は、1年分の収支を税務署へ報告するわけですが、総合課税の申告に使う確定申告書とは別に手続きをしなければなりません。 譲渡所得で土地・建物、株式に限っては申告分離課税になります。株式の譲渡所得は申告分離課税ですが、特定口座を選択していれば、証券会社が源泉徴収してくれますのでわざわざ収支をつける必要はありません。
退職所得は通常、退職金を支払う会社に対して、退職所得の受給に関する申告書を提出することで、
退職所得の金額=(退職所得-退職所得控除)×1/2
※退職所得控除(34年2か月→34年のように端数は切り上げ、2年未満の時は2年で計算します)
- 勤続年数20年以下:40万円×勤続年数(80万円より少ないときは80万円)
- 勤続年数20年以上:70万円×勤続年数-600万円
に対して所得税が課せられます。 申告書を提出していない場合は、20%の税率で源泉徴収され、あとから払い戻さない限りはそのままになります。
山林所得は、保有期間5年超(5年以内は事業所得or雑所得)の山林を伐採・譲渡して得た所得であり、山林所得収支内訳書(分離課税用)という書面に書いて提出します。
山林所得の金額=総収入金額-必要経費-特別控除額
この課税金額に対して、5分5乗方式と呼ばれる方式で導き出された、(山林所得の課税金額×1/5×税率)×5の金額を納めます。 1/5に5をかけてるから1になるんじゃ?と思いますが、税率は所得税の総合課税と同じ下記の表を使いますので、税率を掛ける前の金額は少ない方が税額が少なくて済みます。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 | 40% | 2,796,000円 |
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