公的保険について
目次
- 公的保険について
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みなさんは、一家の大黒柱である旦那様が死んでしまったり、障害の状態になってしまったりしたときに援助してくれるのは、民間の保険だけだと思っていませんか?
実は車でいう自賠責のようなものなんですが、最低限の援助をしてくれる仕組み、公的保険(公的年金)という制度があるんですよ。
この公的保険の金額というのが意外にも馬鹿にならない金額でして、特に子供さんがいらっしゃる家庭に関しては心強い味方となります。
ただし、国民年金or厚生年金のいずれかを納めていない人はその時点でアウトですから、そういう人は最初から民間の保険のみで考えてください。
国民年金or厚生年金を収めている人は、これから述べる公的年金でまかないきれないと思う金額を民間の保険で補うという方法を取ります。
遺族年金(国民年金)
国民年金及び厚生年金の被保険者が死亡した場合、置かれている状況にもよるが、遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金のうち、どれか1つを選ぶことが出来る。
遺族基礎年金
遺族基礎年金は、国民年金を払っている人(国民年金の被保険者及び厚生年金の被保険者)または、老齢基礎年金の資格期間を満たした人が死亡したときに支払われる年金のことで、保険料納付済み期間が加入期間の3分の2以上あることが支払条件の一つとなっています。
この年金支払の対象となるのは、”子を持つ妻”もしくは”子”のみで、”子供のいない妻”には支払われません。
また、子が18歳到達年度の末日(3月31日)を越えると支払対象から外れてしまいます。
年金額は、792,100円+子の加算(二人目まで一人につき227,900円、三人目以降一人につき75,900円)です。
自力で計算するのがめんどい人は、遺族基礎年金シミュレーターで計算してください。
寡婦年金
国民年金の第一号被保険者で、保険料納付済期間が25年以上である夫が老齢年金等を受けずに死亡した場合、婚姻期間が10年以上の妻に60~64歳までの間、支給されるというもの。
年金額は、夫が受けられたであろう老齢基礎年金額の4分の3です。
死亡一時金
死亡一時金は、国民年金の保険料納付済期間が3年以上である人が老齢年金等を受けずに死亡した場合、支給されるというものです。
金額は、保険料納付期間によって以下のように決められています。
保険料を納めた期間 | 死亡一時金 | 付加保険料を3年以上納めた人 |
---|---|---|
3年~14年 | 12万 | 12万8500円 |
15年~19年 | 14万5000円 | 15万3500円 |
20年~24年 | 17万円 | 17万8500円 |
25年~29年 | 22万円 | 22万8500円 |
30年~34年 | 27万円 | 27万8500円 |
35年以上 | 32万円 | 32万8500円 |
遺族年金(厚生・共済年金)
遺族厚生・共済年金
遺族厚生年金は厚生年金の被保険者が死亡したとき、または、被保険者期間中の傷病が元で初診の日から5年以内に死亡したときに支払われる年金のことで、保険料納付済み期間が加入期間の3分の2以上あることが支払条件の一つとなっています。
この年金支払の対象となるのは、”子のある妻”、”子のない妻”、”子”、”55歳以上の夫、父母、祖父母(60歳から支給)”、”孫(18歳以下)”です。
また、遺族厚生年金と老齢厚生年金等の受給権がある65歳以上の方は、御自身の老齢厚生年金等は全額支給され、遺族厚生年金は、御自身の老齢厚生年金等に相当する額が支給停止され、その差額のみ支給されます。
年金額は、
- A:平成15年3月まで(平均標準報酬月額×7.5/1000×被保険者月数)
- B:平成15年4月以降(平均標準報酬額×5.769/1000×被保険者月数)
- (A+B)×1.031×300/AとB合せた被保険者月数×3/4×0.988=遺族厚生年金額
で導き出されます。
なお、被保険者月数が300を超える場合、(300/AとB合せた被保険者月数)の部分は計算に入れません。
平均標準報酬月数は加入期間の月収の平均をもとに算出するが、わからない場合は、平成15年3月時点の給与の7割を目安に計算する。
平均標準報酬額は年収を12で割った金額を目安に計算をする。
自力で計算するのがめんどい人は、遺族厚生年金シミュレーターで計算してください。
中高齢寡婦加算
中高齢寡婦加算は、厚生年金の被保険者であった夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻、もしくは、40歳に達した当時、子がいるため遺族基礎年金を受けていた妻が、子が18歳到達年度の末日に達したため、遺族基礎年金を受給できなくなったときに、40歳から65歳になるまでの間、594,200円(年額)が遺族厚生年金に加算されるものです。
40歳未満の”子のない妻”は夫死亡時に加算されず、妻が40歳になる前に子が18歳になってしまえば加算されない、つまり、
「40歳~65歳の子がいない、もしくは子供が18歳超の妻」に加算されるということです。
障害年金
障害基礎年金
障害基礎年金は、国民年金を払っている人(国民年金の被保険者及び厚生年金の被保険者)で、20歳以上で障害の状態にある人に支払われる年金のことで、保険料納付済み期間が加入期間の3分の2以上あることが支払条件の一つとなっています。
障害の認定は、初めて医師の診察を受けたときから1年6ヶ月経過したときに障害の状態にあるか、または65歳に達するまでの間に障害の状態になったときになされる。
年金額は、
- 1級:792,100円×1.25+子の加算(二人目まで一人につき227,900円、三人目以降一人につき75,900円)
- 2級:792,100円+子の加算
となります。
自力で計算するのがめんどい人は、障害基礎年金シミュレーターで計算してください。
障害厚生年金
障害厚生年金は厚生年金の被保険者が障害の状態になった場合に支払われます。また、障害基礎年金の支給条件も満たす必要があります。
年金額は、
- A:平成15年3月まで(平均標準報酬月額×7.5/1000×被保険者月数)
- B:平成15年4月以降(平均標準報酬額×5.769/1000×被保険者月数)
- (A+B)×1.031×300/AとB合せた被保険者月数×0.988=報酬比例の年金額
のように、遺族厚生年金の3/4が抜けた式で導き出される報酬比例の年金額を元に下記の式で求められます。
- 1級:報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加齢年金額(227,900円)
- 2級:報酬比例の年金額+配偶者の加齢年金額(227,900円)
- 3級:報酬比例の年金額※最低保障額594,200円
自力で計算するのがめんどい人は、障害厚生年金シミュレーターで計算してください。
老齢年金
老齢基礎年金
保険料納付済み期間と保険料免除期間の合計が25年以上ある国民年金の被保険者であった人が支給されます。
原則として65歳からだが、希望により60歳からの減額された繰上げ支給、もしくは、66歳から70歳までの希望する年齢から増額された年金の繰り下げ支給を請求できます。
年金支給額は、
- 792,100円×(保険料納付済月数+保険料半額免除月数×2/3+保険料全額免除月数/3)/40/12
となります。
自力で計算するのがめんどい人は、老齢基礎年金シミュレーターで計算してください。コレを使えば、付加年金や繰上げ、繰り下げした場合もわかります。
老齢厚生年金
国民年金の被保険者であった期間が25年以上あり、加えて厚生年金保険の被保険者期間が1ヶ月以上ある場合に支給されます。
こちらも、原則として65歳からだが、昭和36年生まれより前の人は、60歳~64歳までの間にも特別老齢厚生年金という形でもらうことが出来ます。それ以降の人は65歳からしかもらえません。
年金額は、生まれた年齢によって計算式が異なるので、老齢厚生年金計算シミュレーターを使うとよいでしょう。
加給年金と振替加算
夫が20年以上厚生年金に加入していると、夫の年金に加給年金がつきますが、妻が厚生年金に20年以上加入し、妻本人の年金を受け取り始めると、夫の加給年金は支給停止となります。
どちらかが自営業(国民年金)や専業主婦の時は付きますが、共に夫婦共にサラリーマンだったときは加給年金が付かないということです。
また、妻が65歳を超えると、夫の厚生年金に付加されていた加給年金が、妻の老齢基礎年金に付加される振替加算という名に変わります。
妻が振替加算を得るには、老齢基礎年金を受給している、つまり、夫の扶養(国民年金第3号被保険者)であること、しなわち、夫が加給年金をもらっていたことが必然的に必要ということになります。
年金or加算額は妻65歳の時点で年間15万ほど、80歳にともなると年間約22万ほど老齢基礎年金にプラスされます。
ちなみに、サラリーマンの夫死亡時は、遺族厚生年金+経過的寡婦加算+老齢基礎年金+振替加算です。(70歳で大体、88万4000円+79万2100円+18万6400円=186万2500円、税金を除くと、約158万円と、月々13万2000円手取りでもらえることになる)
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