国民年金と老齢給付

目次

被保険者 年齢 保険料
第一号被保険者 日本国内に住所のある20歳以上60歳未満の者 定額
第二号被保険者 被用者年金(厚生年金or共済年金)の70歳未満の被保険者 定率(18.3%まで上げる予定)
第三号被保険者 第二号被保険者に扶養さている20歳以上60歳未満の配偶者 なし

大前提として、25年以上この国民年金を納めていないと、65歳になった時に年金がもらえません・・・(24年だとアボーンなわけです)

第一号被保険者はいわゆる自営業者や20歳以上の学生やプー太郎のことです。月に1万5000円程度支払うわけですが、その見返りは65歳になった時に最大年間79万2100円受け取れることです。
最大金額を受け取るためには、480か月(=40年間=20歳~60歳まで毎月コツコツと。。)納めている必要があります。
「俺は22歳から払ったから60歳まで払っても最高額もらえねぇ~」っていう人のために、任意で65歳まで加入することはできます。
「俺は40歳から払ったから60歳までだと20年にしか払ったことにならないから支給されないじゃん」っていう人のために、受給資格25年を満たしてない人に限って70歳までOKになります。

第二号被保険者は、厚生年金を払っているサラリーマンや共済年金の公務員とかのことです。
こちらは定率課税なもんで、所得が多いほどごっそりとられるという仕組みになっております。
厚生年金の保険料の中に、国民年金の保険料が入っているというイメージですので、65歳になったら、国民年金の最大受取額の79万2100円にプラスして厚生年金がもらえます。

第三号被保険者は、年間130万円以下しか稼いでない第一号・第二号被保険者の配偶者のことです。
同棲と結婚の大きな違いは、ここにもありますね。結婚して配偶者になれば、働かずして年金がもらえるというお話。

保険料の支払いには免除制度(法定免除と申請免除)、納付猶予制度があります。

免除制度 種類 対象・前年所得
法定免除 全額免除 障害基礎年金・生活保護の人
申請免除 全額免除 (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円以下
申請免除 4分の3免除 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等以下
申請免除 半額免除 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等以下
申請免除 4分の1免除 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等以下
納付猶予 学生免除 在学期間中で所得が一定額以下
納付猶予 30歳未満 本人と配偶者の所得の合計が一定額以下

25年以上支払わないと、65歳になった時に年金が支払われなくなるわけですが、支払うお金がない人には国が救いの手を差し伸べてくれるわけです。

申請免除は、当たり前ですが、申請しなければ認められません(申請しない人多いらしい)。また、受給資格期間に算入することができます。
ただし、免除されている分、年金額は何分の一かにさっぴかれます。

全額免除:4/8反映
4分の3免除:5/8反映
半額免除:6/8反映
4分の1免除:7/8反映

反映が続いてよくわからないと思いますので、1つ例を。。。

20歳から25歳までは半額免除期間、26歳から60歳までは通常の保険料を納めたとすれば、受給資格期間は40年=480か月、年金額は5年間は6/8反映となるので、60ヶ月×6/8+420ヶ月=465ヶ月分の年金額=792100×465/480=76万7350円がもらえる年金額となります。

納付猶予は、あくまで猶予されるということで、いつかは払ってねっていうことです。10年以内に払わないと時効になるし、1年ごとに延滞料金が上乗せされるので、20歳を超えると(在学期間または、働くまでの期間)親が立て替えてくれる、もしくは払ってくれる家が多いと思います。
万が一、10年以内に払わなかった場合は、支払っていない期間は合算対象期間(カラ期間)として受給資格期間としてのみ算入されます。 もちろん、学生でなく、30歳未満の一定の条件を満たす人でなければ、滞納扱いとなり、滞納期間は受給資格期間には算入されません

また、20歳以下で働いている人もいるかと思いますが、20歳以下は国民年金を納める年齢に達していないので、厚生年金を払っていたとしても、国民年金の受給資格期間には算入されません。

1、【老齢基礎年金】は、国民年金の第1~3号被保険者が、25年以上の受給資格期間を満たしたときに、原則65歳から支給される年金です。

2、【老齢厚生年金】は、厚生年金、共済年金の被保険者が、老齢基礎年金の受給資格(25年以上)を満たし、厚生年金の被保険者期間が1か月以上あることを条件として、65歳から支給される年金です。

3、【特別支給の老齢厚生年金】は、昭和16年4月2日~昭和24年4月2日生の人に定額部分と報酬比例部分が、昭和24年4月2日~昭和36年4月2日生の人に報酬比例部分のみが支給され、昭和36年4月2日以降の人には支給されません。(女性は5年遅れ)。参考:支給開始年齢

4、【加給年金】は、被保険者が厚生年金に20年以上(40歳以降で15年以上)加入、受給開始当時、生計維持にある配偶者または未婚の子がいる場合に、配偶者(年収850万円未満)が65歳になるまで、もしくは、子が18歳に達した日以後最初の3月31日になるまで、支給されます。

5、【振替加算】は、妻が65歳になって老齢基礎年金の受給権を得るのと同時に、加給年金は失権し、振替加算となって妻の老齢基礎年金に加算されます。

老齢基礎年金が原則65歳となっているのは、希望により支給開始年齢を繰り上げたり繰り下げたりすることができるからです。
繰り上げは、1か月につき0.5%減額(1年で-6%)、繰り下げは、1か月につき0.7%増額(1年で+8.4%)されます。
繰り上げや繰り下げによって上下した金額は一生変わらない(ずっとその金額のまま)ため注意が必要です。
なお、繰上げ返済には一部繰り上げ(定額部分のみ)と全部繰上げ(定額+基礎年金部分)の2通りがあり、繰上げしても、老齢厚生年金の報酬比例部分は併給されるようです。(繰上げ請求の老齢基礎年金と特別支給の老齢厚生年金

加給年金の支給年齢は、特別支給の厚生年金の定額部分が支給されている年齢の人の場合は、定額部分の支給と同時に支給されます(65歳になる前に)。

加給年金の額は夫の生年月日により決まりますが、振替加算の額は妻の生年月日により決まります。

加給年金の額や振替加算の額は→http://nenkin.news-site.net/otoku/kakyunenkin.phpのサイトで確認するといいでしょう。(振替加算なんか今は支給されないんですね・・・)

年金 場所
国民年金第一号被保険者のみ 市区町村
国民年金で第三号被保険者がある人 住所地管轄の年金事務所
厚生年金期間があるが最後が国民年金の人 住所地管轄の年金事務所
最後に加入したのが厚生年金の人 勤務先管轄の年金事務所
最後に加入したのが共済年金の人 勤務先の組合及び年金事務所

上記のように計算されて求められた年金がもらうためには、裁定請求書(支給年齢になると郵送で届く)をそれぞれの年金事務所に提出しなければなりません。

国民年金と厚生年金の加入者は基本的には日本年金機構が管轄ですので、その出張機関に提出します。

共済年金は、共済組合から特別支給の年金部分が、日本年金機構から老齢基礎年金部分が支給されますので、どっちにもいかなければならなさそうです。
計算式も共済と厚生年金は異なりますので注意します(日本年金機構のシミュレーターでは退職共済年金額が含まれておりません)

離婚時の年金分割には、
 1、合意分割制度(平成19年4月1日以降)
 2、3号分割制度(平成20年4月1日以降)
の2種類があります。

離婚や熟年離婚があたり前になりつつあるこのご時世ですので、結婚している夫婦にとって年金分割を理解することは重要なことの一つ?かなと思います。

<合意分割制度の概要>

  • 平成19年4月1日以降に離婚していること
  • 分割には相手の合意、もしくは家庭裁判所の判決が必要
  • 分割の対象は、結婚している期間の報酬比例部分(報酬比例部分+老齢厚生年金のことで定額部分は除外)に対してのみ
  • 夫婦ともに厚生年金が支給される場合は、夫婦の報酬比例部分の合計が1/2で分割される
  • 妻が第三号被保険者である場合は、夫の報酬比例部分のみが1/2で分割される
  • 両夫婦の定額部分にあたる部分(特別支給の厚生年金の定額部分+老齢基礎年金)は分割の対象にならない

<3号分割制度の概要>

  • 平成20年4月1日以降に離婚していること
  • 相手の合意も裁判所の判決も必要なしに分割できる
  • 分割の対象は、平成20年4月1日以降の結婚している期間の報酬比例部分に対して
  • 分割割合は、最大で2分の1
  • 両夫婦の定額部分にあたる部分は分割の対象にならない

生活設計と資金計画

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